医療問題 医療機関が患者から責任追及されるケースが増加しています。お困りではないですか?

医療問題

医療問題って、どんな問題?

医療機関が患者から責任追及されるケースが増加しています。
 

医療問題

患者側の権利意識が高まり、またマスコミ等で医療過誤事件が多く報道されるようになったことから近年では、医療機関が患者から責任追及されるケースが増加しています。

治療中に患者から意見を求められたり、治療終了後に電話等でクレームが寄せられたり、時には内容証明郵便で損害賠償を求められることもあります。今までは問題とならなかったケースでも、クレームが寄せられることがあります。
病院経営を円滑におこなっていくためには、トラブルが発生しないように注意し、万が一トラブルが生じた場合には、適切に対応する必要があります。

そこで以下の事例から、トラブルを防ぐためにはどのような対策を講じればよいか、トラブルが生じた場合にはどのように対応すればよいかご説明します。

事例1:医療過誤を起こした際の責任

医療従事者が医療過誤を起こしてしまった場合、どのような責任が発生するのでしょうか。


医療過誤を起こした場、医療従事者は、
民事上の責任、刑事上の責任、行政上の責任を負う可能性があります。
 

民事上の責任

医療過誤によって、患者が受傷・死亡した場合、患者には様々な損害が発生します。この損害を補填することが、民事上の責任として求められることになります。

具体的には、医療事故によって新たに発生した治療関係費・付添看護費用、治療のための休職期間の休業損害、医療事故による障害のために必要となった装具・器具等(義手、義足等)の購入費、後遺障害により労働能力が低下した場合の逸失利益、死亡した場合の逸失利益、慰謝料等です。
損害賠償請求が認められるには、医療機関の「過失」が存在し、当該過失と結果発生の因果関係が存在することが前提であり、訴訟では「過失」及び「因果関係」の有無が争われることとなります。

刑事上の責任

医療過誤によって患者が障害を負った場合または死亡した場合には、医療従事者は業務上過失致死傷罪に問われる可能性があります。

業務上過失致死罪については、刑法211条1項において、「五年以下の懲役若しくは禁固又は百万円以下の罰金に処する」と規定されております。

業務上過失致死傷罪により起訴された場合、略式命令(裁判所の法廷における期日が開催されない簡易な裁判。罰金刑が科される。)による罰金20~50万円程度が量刑相場といえますが、近時では厳罰化傾向にあり、特に死亡事案については公判請求(裁判所の法廷において期日が開催される正式な裁判)され、執行猶予付きとはいえ禁固刑に処せられる事案も増えています。

なお、過失が認められ、業務上過失致死傷罪が成立する場合でも、結果が軽微である場合、過失の程度が軽い場合、示談が成立している場合等には、不起訴となるケースも多くあります
特に示談成立の有無は、検察官が、公判請求・略式請求・不起訴の処分を決定する重要な要素になっています。したがって、医療従事者の過失が明らかであれば、患者と早期に示談を成立させて、刑事処分を軽減する努力をすることも重要となります。

行政上の責任

医師法7条2項は「医師が第四条各号のいずれかに該当し、又は医師としての品位を損するような行為のあつたときは、厚生労働大臣は、次に掲げる処分をすることができる」と規定しています。

  • 戒 告
  • 三年以内の医業の停止
  • 免許の取消し


そして医師法4条3号は「罰金以上の刑に処せられた者」と規定しています。そして、厚生労働大臣が以上の行政処分を行う場合には、予め医道審議会の意見を聴かなければならないとされています。
実際に行政処分を受けた事例は、詐欺・診療報酬不正請求、覚せい剤取締法違反、麻薬及び向精神薬取締法違反、強姦・強制わいせつ、道路交通法違反が多く、医療過誤により行政処分がなされるケースはかなり少数です。なお、医療過誤に基づく行政処分としては、数ヶ月の医業停止が多いようです。

事例2:医療訴訟の流れについて

医療事故が発生し、患者からクレームが来ています。
今後、どのような事態が想定されますか。また、医療機関として、どのような対応が必要でしょうか。



医療機関として重要なことは、何より患者に対して誠意を持って対応することです。
 

一般的に、医療紛争は以下のような流れで進行します。
 

(1) 患者からのクレーム
(2) 患者によるレセプト開示請求
(3) 患者(代理人弁護士)による証拠保全申立て、証拠保全の実施
(4) 示談交渉(示談不成立)
(5) 患者(代理人弁護士)による訴訟提起・ADR(裁判外紛争解決手続き)申立て


医療機関として重要なことは、上記の各手続における対応がその後の紛争解決に重要な影響を及ぼすため、各手続において慎重に対応しなければならないということです。

まず、患者からクレームが申し立てられた場合において、医療機関としては患者に対して誠意を持って対応することが極めて重要です。たとえ医療事故が医療従事者の過失に基づくものであっても、そうでなかったとしても、この段階で患者の気持ちを逆撫ですることは最終的な医療紛争の解決に悪影響を及ぼすことは明らかだからです。

また、(3)証拠保全手続に対する対応、(4)示談交渉、(5)訴訟対応・ADR対応の各手続においては、法的な知識・検討を前提とした対応が求められ、各段階における不用意な対応が最終的な解決に悪影響を及ぼすことも多々あることを認識しなければいけません。
 

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