2010年11月の法律用語集 専門的な用語にお困りではないですか?

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株式

株式とは、法律上は株主権を指すが、一般的には株式会社が発行する株券(出資証券)そのものを指して株式と呼ぶことが多い。

新しい会社を始めようとするとき、株式を発行することによって多くの出資者から資金を集めることができる。また、株式会社が事業を拡大するときも、株式を新たに発行して増資することができる。ただし、株式を東証1部、東証2部、マザーズなどの証券取引所に上場するには、さまざまな条件が必要となる。

会社は、いろいろな人からお金を出資してもらう代わりに、将来会社が利益を上げたら、出資金に応じてその利益の分配を約束する。もし事業がうまくいかなくて倒産してしまっても、会社は出資金を返却する義務は負わない。これが株式の考え方である。

株主が株式会社へ出資した資金は、会社が存続する限り払戻されない。株主が株式を換金しようとするときは、株式市場で売却することになる。

株式を持つということは、その企業の成長に期待して出資することであり、間接的にその企業の経営に参加することを意味する。
株式投資とは、将来性のある企業に出資することによって利益(リターン)を得ることを意味しており、自分の資産形成にとって意義がある。また、どんな企業を支援するかは良い商品やサービスを提供している企業を支援するという意味で、社会的な意義も持っている。
 

 
 

株式会社

株式を発行して投資家から資金を調達し、その代金で事業活動を行なう会社を株式会社と呼ぶ。

細分化された株式を有する株主から有限責任(出資額を限度とする責任)の下に資金を調達し、株主から委任を受けた経営者が事業を行い、利益を株主に配当する、法人格を有する企業形態である。株式の発行と社員(株主)の有限責任という二大特質によって経営への参加が容易になり大規模な企業経営を営むことを可能とするのが株式会社の特徴である。

株式会社制度の下では、事業を遂行する人(経営者)と株主は異なり、経営者と出資者が別人でも構わないので、ビジネスの手腕のある人は、自己資金が無くても、株式発行により資金を集めて事業ができる。

公開された株式を購入することで誰でも出資者(株主)になれる。株主は、会社の利益により配当を受けることができ、更に株主総会に参加して会社の経営に参加することもできる。事業が成功して利益が上がれば株価の上昇で株主の利益が増え、株数に応じて配当金や株主優待を受け取れるが、半面、事業がうまくいかなければ配当金は無く、株価も下がる。
 

 
 

株主

株主とは、株式会社の出資者として株式会社の株式を保有し、会社の所有者の一員という立場に立つ個人・法人をいう。社員というと普通は従業員のことを指すが、商法上では、出資者である株主のことを社員と呼ぶ。

株主は、保有している株式数に比例して配当を受け、その会社の経営方針にも影響を与えることができる。(株主平等の原則)

株主の権利の事を株主権といい、権利行使の結果がその株主個人の利益だけに関係する自益権と、株主全体の利益につながる共益権とに分けられる。

共益権とは企業の経営に参加できる権利のことで、株主は、株主総会において、その企業の取締役の選任、会社の方針など重要な項目について議決権を行使する事ができる。権利の強さは株式の保有数により、一定以上の保有数の株主には、取締役を解任を要求できる権利があり、その企業が発行している過半数の株式を取得すると、経営の実権を握る事も可能となる。

自益権とは株主の経済的利益となる権利のことで、利益配当請求権、残余財産分配請求権、新株引受権、株式転換請求権、名義書換請求権、株券交付請求権、株式買取請求権などをいう。

 
 

株主総会

株主総会は株主を構成員とする会議体で、株式会社の最高意思決定機関である。

決議には、株主総会の議長の選出、取締役や監査役の選任などの「通常決議」のほか、会社定款の変更、株式併合、会社合併、株式交換、株式移転、減資などに関する「特別決議」があり、株主総会の決議は原則として多数決をもって行なわれる。

毎決算期に1回開催される「定時株主総会」と、必要に応じて開催される「臨時株主総会」がある。

 
 

株主代表訴訟

株主代表訴訟とは、株主が会社に代わって直接取締役等の経営責任を訴追する訴訟のことである。取締役の経営判断によって会社に損害が生じた場合、株主は会社に代わって損害賠償を求めることができる。

役員等の責任は、本来会社が追求すべきである。通常、会社(取締役会、取締役)が違法行為を行ったり、株主に対する損害を与えたりした場合、監査役が会社を代表して取締役を訴追する。しかし、役員等の馴れ合いにより不問に付される可能性があるのが現実だ。そこで、会社・株主の利益を守るために、株主が会社に代わって訴えを提起して役員等の責任を追及することができる制度になっている。株主代表訴訟の提起は株主が行使できる共益権の中の一つであり、会社の経営者に対する監視機能として大きな役割を果たしている。

日本では、1993年の商法改正で訴訟手数料が引き下げられたことで、株主代表訴訟の件数が伸びている。
株主代表訴訟では、会社が原告という形を取るので、被告である取締役の損害賠償責任が裁判で認められると、取締役個人が会社にその賠償金を支払うことになる。事業規模によっては個人の支払能力を超える巨額の損害を出すおそれもあり、制度の見直しを求める声も出ている。
賠償金は会社に支払われ、株主が直接受け取るわけではない。実際のところ、経営陣の責任が明らかにされれば十分と考え、取締役個人に賠償金の支払いまでは求めないケースもある。

6ヶ月以上前より引き続いてその会社の株式を有する株主は、監査役に対して取締役を訴追するよう請求することができる。請求の後、60日を経過しても監査役が訴追しない場合、株主が直接取締役を訴追することができる。ただし、責任追及の訴えが、その株主や第三者の不正な利益を図る目的の場合や、会社に損害を加えることを目的としている場合には、訴えを起こすことはできない。
 

 
 

株券

株券は、株式会社の株式の保有および株主の地位・権利を証明する有価証券、社員権証券の一つである。株券には、会社の商号や発行年月日などの決定事項、代表取締役の署名などが記載されている。

ただし、新会社法においては、株券不発行が原則である。上場会社の株式等に係る株券をすべて廃止し、株券の存在を前提として行われてきた株主権の管理を、証券保管振替機構(「ほふり」)および証券会社等の金融機関に開設された口座において電子的に行うこととするものだ。
今後は株券を発行せず、保管振替機構がコンピューターで株の保有や譲渡の情報を一括管理するペーパーレス化が実施される。

株券電子化には多くのメリットがある。まず、株主にとっては、株券を手元で保管することなどによる紛失や盗難、偽造株券取得のリスクが排除され、株式の売買の際、実際に株券を交付・受領したり株主名簿の書換申請を行う必要がなくなり、発行会社の商号変更や売買単位の変更の際に、株券の交換のため、発行会社に株券を提出する必要がなくなる。
また、発行会社にとっては、株主名簿の書換に当たり株券が偽造されたものでないか等のチェックを行う必要がなくなり、株券の発行に伴う印刷代や印紙税、企業再編(企業間の合併や株式交換、株式移転など)に伴う株券の回収・交付のコスト等が削減でき、株券喪失登録手続を行う必要もなくなる。

 
 

授権資本制度

授権資本制度とは、株式公開会社の定款に定める株式数(授権株式数・発行可能株式総数)の範囲内であれば、取締役会の判断でいつでも新株を発行することができるという、経営者の権利のひとつである。むやみな新株発行を避けて既存株主や会社債権者を保護しつつ、経営上の判断による迅速な資金調達を可能にすることを目的としている。

授権資本とは、取締役会の決議を経れば取締役会が発行してもよいと株主から授権された株式数のことだ。株式会社の設立にあたっては授権資本の4分の1以上の株式を発行しなければならないが、残りの株式は、会社の必要に応じて取締役会の決議によっていつでも発行することができる。

会社に資金調達の必要が生じるたびに、株主総会を開き新株発行を決定していれば迅速さが失われ、経営効率が悪くなることから、この制度が導入された。新株を発行することで既存株主の持ち株比率が下がったり、株価の下落をもたらす可能性があるため、発行可能株式総数をあらかじめ決めておくことで既存株主の利益を守っている。

 
 

取締役会

取締役会は、取締役全員によって構成され、その会議における決議によって業務執行に関する会社の意思を決定するとともに、業務執行の任にあたる代表取締役などを監督する機関である。株主総会の決議事項と定められている事項を除き、会社の経営に関する決定権限はすべて取締役会に属する。

会社設立時の取締役会で決議する事項は、代表取締役の選任、共同代表について、本店の所在地の町名・番地までの決定、支店の設置について、業務の責任者(本店や支店の支配人)の決定などである。

会社設立後は、重要な財産の処分や譲渡・引き受け、多額の借財、本店や支店の支配人の選任、株主総会の招集、株式の譲渡の承認、新株の発行や社債の発行などを決議する。

本来は重要な機関だが、企業の規模によって意思決定が極度に集約・分散される傾向が強いため、取締役会は小規模会社と大規模会社の両方において形骸化が著しいといわれる。そのため執行役員制度など、実務に関しては別の制度を利用し、取締役会はその承認を行なう単なる決定機関として機能している場合も少なくない。

 

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